印刷用語集
湿し水(しめしみず)
湿し水(しめしみず)は、主にオフセット印刷で使用される重要な用語です。印刷工程において、印刷版にインキを塗布した後、余分なインキを取り除くために必要な工程です。具体的には、印刷版の表面に微細な水の膜を形成することで、印刷される紙に適切な量のインキが転写されるよう調整します。この水の膜が、インキが付着しすぎるのを防ぎ、またインキの均一な転写を促進します。湿し水の量や均一性は印刷の品質に直結し、特に紙の種類や印刷条件によって微妙に調整されます。印刷機の操作者は、湿し水の調整によって印刷物の色合いや質感を管理し、高品質な仕上がりを目指します。近年では、湿し水の自動制御やデジタル技術の導入により、精度の向上が図られていますが、依然として印刷品質向上の基本的な要素として重要視されています。